CLINIC BLOG

2023.11.25更新

歯が欠損して新しく歯を作る場合は、私の開業当初はブリッジか入れ歯にするか選択肢は2つしかありませんでした。スウェーデンの整形外科医ブローネマルク教授が犬の顎の骨にチタン体が着いた発見からインプラントが生まれました。平成5年赤坂のブローネマルク・オッセオインテグレーションセンターで小宮山与太郎先生にご指導頂く機会を得てインプラントという歯を作る第3の選択肢を増やすことができるようになりました。私は平成10年に最初のインプラント治療を知人に行い現在まで25年間で400以上のインプラントを入れてきました。今ではほとんどの歯科医院でインプラント治療を受けることが可能になりました。インプラントは画期的に治療方法です。しかしルールをしっかり守らないと長期間維持することはできません。私が特に気をつけていることはまず

①患者さんがインプラント治療をよく理解しているか

②3つの選択肢の中で本当にベストなのか

③既往症、全身病、歯軋り食い縛りはないか

④自身のブラッシング状態や定期的な検診を守っていけるか

を念頭において進めていくので基本的には3つの選択肢から患者さんに決定して頂いています。

先日当院インプラント1号の知人に暫くぶりに来院頂きました。左2本右2本無事健在でホッと一安心です。あれから25年、しっかりとした手技を施せば25年は保つ確信ができました。

投稿者: 南部歯科

2023.10.27更新

当院は平成2年に開院して33年が経ちました。先日いつも海外におられる女性の患者さんの定期健診を行いました。いつもしっかりケアされていて非常に口腔内は良好です。ふとカルテを見ると初めて来院頂いてから30年以上経っていてびっくりしました。最初に口の中を拝見した時は30代でいらしたんだと改めて時の流れが早いことに驚きました。継続は力なりと言いますが定期的に健診する成果は必ずあるものだと再認識した所です。

この方(娘さん)を連れてこられたお父様もずっと来られているのでカルテを見ると平成2年が初診でこちらは33年も来院頂いておりました。びっくりです。そういえば開院したばかりの私にかかりつけの歯医者になってほしいと言われた覚えがあります。当時から口の中の意識が高かったことが伺えます。ふとご年齢を見ると97でした。いつもお元気で変わらぬ人柄とはいえ、大きな責任を感じた今日この頃です。

 

 

投稿者: 南部歯科

2023.09.20更新

下顎の部分入れ歯が前歯の裏を通る形はよくあります。例えば①片側の奥歯が後ろまで欠損している②左右の部分入れ歯を繋いでいるそんな場合、前歯の後ろを通る形になります。前歯の裏に出っ張りがあれば誰でも違和感を感じ話がしにくくなります。一般的にはピンク色の樹脂で繋がっている場合が多いです。これが慣れない場合はリンガルバーと呼ばれる銀の棒で繋ぐ方法もあります。また鋳造バーと呼ばれる薄い金属で繋ぐ方法などがあります。いづれにせよ自分に合った入れ歯の形をよく担当の歯科医と相談しながら作ることがベストです。

投稿者: 南部歯科

2023.09.09更新

最近自身の左下7番が割れた。この歯は大学時代に先輩に神経を抜いてもらい銀歯を被せて頂いた歯である。大学在学中そして卒業後医局に残った計9年間のクラブ活動(アメフト)にも痛む事なく30年近く頑張ってくれた。それがピスタチオを油断して噛んでしまった。長年使用して平らに咬耕しておりまた神経を抜いている弱い歯である。もう少し食べ物に注意を払うべきと反省している。

大学時代を回想すると生理学の実習を思いだす。実習の中で咬合力を機械で測定することがあった。私の左下7番大臼歯は確か100kg越えで測定不能であった。当時はさすがアメフト咬合力が半端ないなどとおだてられていい気になっていたものだが、そんな時担当講師の先生から奥歯の破折に気をつけろ割れたらおしまいだぞ、マウスガード等を使用して保護することも必要と言われた記憶がある。

後悔先に立たず、油断大敵である。

投稿者: 南部歯科

2023.08.30更新

歯医者は基本的に自分が治療を施した歯は長く使って頂きたいと思っている。歯牙は噛むためにあり噛む事で正常に保つ事ができる。特に自院でつけた、詰めた、被せた物が取れた時はショックである。では何故取れたのか原因を探る。

①ガムやケャラメルの粘着物で取れる②デンタルフロスや歯間ブラシで引っ掛けるまたは無理に通す③固い物を噛んでしまい歯がかけて或いはヒビ割れて取れる④強い歯軋り食い縛りがある等がダツリの主な原因となる。

この中の③固い食べ物とは骨、種、貝類、お煎餅等が上げられるがその歯が神経があるかないかで大分強度が違う。当院では神経の無い歯に関して柿ピーナッツ系、フランスパン、あたりめスルメ系のような噛んでからすりつぶすような歯に力がかかる食べ物はできるだけ避ける様に指導している。壊れた時の被害が大きいからである。

ただし中高年以降の歯周病をお持ちの方に限定して説明している。

投稿者: 南部歯科

2023.08.22更新

お恥ずかしいことに、私自身最近歯のトラブルに見舞われた。今まで自身で虫歯を削ったり、埋めたり、根管治療をしたりと奮闘してきたが、今回はヒビが入っていた右下の歯で固い魚の骨が混じっていた身をかじってしまい歯根が割れてしまった。偶発的な出来事とはいえ激痛が走り物が噛めなくなってしまったのだ。数日は鎮痛剤で抑えたものの、腫れも出てきたので抗菌剤で叩いた。

がやはり食事は困難だ。やむなく決断し鏡で見た目を気にしながら麻酔をかけて割れた歯牙を取り除くことに成功した。これにより歯は1本失ってしまったが食事は以前のように取れる様になった。私はこの経験から

①歯が割れると噛むと激痛

②噛むたびに痛みが走る事は憂鬱

③噛めない歯は時に決断し取り除く事も大切

④28本の中の1本が欠損したが支障なく食事は取れる

ということを身を持って感じた。

初心忘るべからず、当たり前の事だが患者さんの苦痛は真摯に向き合い原因を探し取り除くことが歯科医の役目である。

投稿者: 南部歯科

2023.06.08更新

タバコのタールによる歯の汚れは放置すれば①虫歯に移行しやすい。また歯肉の変色やベロの汚れも起こる。ただ口の中が汚れるだけではない。タールには前述したように発癌物質が含まれているため②舌癌、歯肉癌、口腔底癌、頬粘膜癌、硬口蓋癌等を誘発する危険を持つ。またニコチン、タール、COの影響で③歯周病が進行しやすいため歯の喪失に繋がる。さらにタール自体の匂いやタール成分の付着、血行不良や唾液分泌の低下などで④悪臭の原因となる。

結論としてタバコは危険であるということを理解しなければならない。

投稿者: 南部歯科

2023.06.07更新

タバコを喫う事でどんな影響があるのか。タバコには①ニコチン②タール③一酸化炭素などの成分が含まれています。①ニコチンは神経系に対する毒性が強く血圧上昇、血管収縮、心拍数増加、血栓ができる、妊娠障害などを引き起こします。②タールは数十種類の発癌物質を含有しています。③一酸化炭素は酸素運搬機能が阻害され組織の酸素欠乏を招きます。

口の中では歯が汚れる、ベロが汚れる、歯肉が変色する、口臭が酷いなどが見受けられるようになります。

投稿者: 南部歯科

2023.06.06更新

長年臨床に携わっていると思いもよらぬ原因から歯周病が進んでいるケースがある。それは生活習慣病関連の薬の服用である。高血圧症、高脂血症、糖尿病などで薬を飲んでいる方は大勢おられるが薬の量が多い場合、強い効能のものを服用されている方は歯周病が進行しやすい傾向にある。定期的に健診していてもまたブラッシングが良好で気をつけていても進行していく。勿論口腔内が清潔であることに越したことはないが身体の内面からくる血液に関連のある疾患の既往がある方の歯周病治療は難しい。歯科医は患者さんの全身的な健康状態にも充分気を配っていなければならない事を痛感する。

投稿者: 南部歯科

2023.05.19更新

現在学会を中心とした専門医、指導医なる先生が大勢おられるが歯科において最も専門医として必要とされてきた分野が歯列矯正である。卒業して30数年経つが当時は矯正を目指す人は卒業後さらに4年間大学院で学ぶことが義務づけられ学位取得後矯正専門医の元で臨床経験を積み重ねてようやく一人前になれたものである。現在マウスピース歯列矯正のトラブルをメディアを通して耳にするが悲しい限りである。歯型をとりマウスピースを作成して歯を動かしていく一見簡単な手法ではあるがどんなケースも治せるものではないことを理解しておかなければならない。やはり基本となる最初の診査診断そして説明が極めて重要となる。①治らない症例がある②費用と日数は③歯を削るのか否か④同じ先生がみる?そんな当たり前のことが守られていない。

最後に矯正は歯列だけ治せばよいと思いがちである。後戻りやアゴや咬合までしっかりケアしていないと後で困ることになる。

投稿者: 南部歯科

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